新人の教育方法論 by3年目でだけど後輩がいない新人(?)
先日、開発依頼先の人と酒を飲んだ。
偉くもない(というより一番下っ端)の「俺が酒飲もうぜ!!」と声を掛けて、
「意味分からんなぁ」という顔をされたのはよく覚えている。
その酒の場で自分の愚痴を聞いて貰いつつ、相手の考え事を聞いたりと
私はそれなりに有意義な時間を過ごせたと思っている。
相手の人(29?と言ってたので私より5つ年上だ)が悩み事の一つとして、
新人の指導についての話を出して、私が回答した時、妙に関心されたことがあった。
"新人君が仕事の計画が全く立てられないようで困る"というのが彼の悩みだ。
曰く「○月×日までにこの仕事やってね。」と新人君に仕事を振ると、頑張って
やろうとする。
しばらくして、「あの仕事どうなった?」と聞くと「進んでます」との回答。
そこで「じゃあいつ頃終わりそう?」と聞くと「分かりません」と回答された。
「期限までに終わるの?」と聞くと「終わります」との回答。
字面だけ考えると、いつまでも仕事が終わらなそうで計画性の欠片も無いような気がして
不安ばかり募ってくる。
新人を指導されている(指導されていた)方々はこのような経験は無いだろうか?
実は、この会話は、割と真面目に計画(らしいもの)を作っても間違いを言っていないことがある。
質問の仕方で真実を見抜けていないケースなのだ。
例えば、新人君にはソフトのあるモジュールの開発を依頼したものとする。
すると仕事を引き受けた新人君は、一生懸命頭を捏ね繰り回して何とかモジュールを作ってはみた。
一見するとそのモジュールは正しく動作しているように見える。
しかし、なんとなく不安で、何度も考慮漏れについて考えてしまう。
テスト不足でモジュールを展開すると上司や先輩に怒られるし、かと言ってこのまま放置するのもマズイ。
こんな状況の場合新人君はどうするだろうか。
答えは簡単、ギリギリまでテストを続けて(=納得するまでor時間切れで諦めが着くまで)
展開しないという選択肢を選ぶのだ。
だから、外から見るといつまで経っても仕事が終わっているように感じられない状況になる。
さて、先の先輩のと後輩のやり取りに立ち戻ってみる。
どのようなやり取りをしたかと考えると、
「どうなった?」 → 「進んでいます」
「いつ終わる?」 → 「分かりません」
「期限までには終わる?」 → 「終わります」
となっていた。何も間違っていない。
新人君の怒られることや自分の経験・能力不足などの事柄を天秤に掛けた葛藤の結果、
このような回答になるケースがあることがお分かり頂けるだろうか。
実を言うと私もこの質問の仕方だと同様の回答をしてしまうことがある。
というか、かなりプライドが高いと自覚があるため、良くこのようなことしてしまう。
自分が出来ないと思われることが極端に嫌なのもある。
部下に「相手の立場になって考えろ!」と怒るのは良いけれど、
気軽に、何気なく質問が出来る環境を作れていない上司にも問題はあるのでは?
下っ端の気持ちになって見て生暖かく引っ張っていって欲しいものです。